タイ・ルオトロ

ウェルター級サブミッション・グラップリング世界王者のタイ・ルオトロは、双子の兄ケイドとともに世界のグラップリング界を牽引する新時代の天才だ。幼少期に家族とともにカリフォルニアへ移住し、父の勧めで3歳のときにブラジリアン柔術を始めた。

少年時代から非凡な才能を見せ、地元大会で頭角を現すと、やがて伝説的グラップラーで7度の世界王者アンドレ・ガウヴァオンの指導のもとで黒帯を授与される。2019年、わずか16歳の青帯ながらADCC世界選手権に出場し、史上最年少で準決勝に進出。大会4位という快挙を達成し、一躍世界中の注目を集めた。

その後も快進撃は止まらない。2022年、ONE Championshipでデビューすると、アメリカのグラップリング界のレジェンド、ゲイリー・トノンをわずか1ラウンド1分37秒で一本勝ちし、衝撃的なインパクトを残した。続く試合でもマラット・ガフロフやライニアー・デ・リダーといった強豪を次々と下し、デビューから無敗を継続。

2023年11月にはロシアのマゴメド・アブドゥルカディロフを判定で破り、ONE史上初のウェルター級サブミッション・グラップリング世界王者に輝いた。以降も無敗を維持し、2025年には総合格闘技（MMA）にも進出。ONE Fight Night 35ではエイドリアン・リーを2ラウンドで一本に仕留め、MMAでも鮮烈なスタートを切った。

技術・体格・メンタルすべてを兼ね備えたタイ・ルオトロは、わずか22歳にして柔術とグラップリングの両分野を支配する存在となった。冷静な試合運びと圧倒的な極めの強さで、彼は今も世界の頂点を更新し続けている。